INTERVIEW

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発酵食品など、
日本人の味覚に合う調味料。
完成されたおいしさで、
味を重ねることの多い
フレンチにも最適。

restaurant Goût(レストラン グゥ)

宮田宏樹

シェフ

東京・富ケ谷に2020年オープン。フレンチとスパニッシュをベースにした6席のカウンタ―レストランで、「少しの贅沢と幸せを愉しむ」を大切にした、カジュアルにスペシャルな時間を楽しめる一軒です。

味に何かが足りないとき、ゴールデンマスタードに助けられている

-はじめに、お店やシェフのプロフィールを教えてください

20歳のとき、地元・群馬の病院給食の調理師として働いたのが第一歩です。やがて都内のフレンチレストランやスペインバルを経て、31歳のときに渡仏。パリのビストロで修業し、帰国後はレストラン勤務のほか調理師専門学校の講師もしていました。最後にいたのは銀座のビストロで、そのあと独立。2020年6月に「restaurant Goût」を開業しました。

当店はカウンターですので、料理はもちろんライブ感や会話、空間など、そこにあるものすべてをお楽しみいただけたらうれしいですね。堅苦しさを感じず、気軽にご利用していただきたいので日常使いのカジュアルレストランに位置付けていまいます。

ジャンルは特に意識していません。国内中心に厳選した食材を、フレンチやスパニッシュの技法をベースに組み立て、日本とヨーロッパの文化、郷土料理や家庭料理のエッセンスを加えた一皿を提供しています。

スペシャリテは、パートブリックを筒状にした「コロン」や「豚肉と桜海老のバスク風」が代表格です。

-シェフにとっての料理に対する哲学を教えてください

基礎や技術、発想力が大切というのは大前提。そのうえで、レストランは召し上がっていただいてはじめて料理が成り立つと考えています。食材や味わいだけでなく、空間や会話がおいしさを生み、お客様の満足につながるのかなと。ですので私にとっての料理は、コミュニケーションツールといえるかもしれません。

料理をカテゴライズしないのも特徴ですが、温故知新な“ど真ん中の味”がモットーです。実験的なことはせず、どなたが食べてもおいしいと思える、メリハリをつけたわかりやすい味わいを目指しています。

-ゴールデンマスタードと出合ったきっかけは?

勝どきで開催されている、「太陽のマルシェ」にふらっと立ち寄ったときですね。2018年ごろだったと思います。味見させていただいたら、びっくりするほどおいしくて。「ゴールド」と「ブラック」を買って、すぐに家で使ってみました。

「ゴールド」はオールマイティ。「ブラック」は特に肉との相性が抜群です。店では日本の食材がもつ味を生かす料理が主体ですので、フランスの伝統的なマスタードはあまり使いません。その点、日本の素材を使っているゴールデンマスタードは相性がいいですし、料理の味に何かが足りないときは、ゴールデンマスタードがあると助かります。お客さんの反応もいいですし、「このマスタードは何ですか?」と聞かれることもありますね。

-ゴールデンマスタードはどのように使っていますか?

「ゴールド」は、ピクルスのマリネによく使っています。このキュウリは固定種で、青々とした苦味が特徴なのですが、マリネの際に「ゴールド」を入れると酸味のバランスが取れて甘みとうまみも上がります。また、魚の和え物にも使いますね。たとえば秋なら「菊芋とサバのマリネ」。ともにうまみが強い食材なので、ゴールデンマスタードがしっかり調和します。

「ブラック」はやはりお肉です。たとえば当店で使っている、発酵熟成させた和牛には発酵の風味がドンピシャ。ソースに添えたり、肉の上に乗せたりするのですが、味の掛け算になるとともに変化も楽しめます。

「マーレ」は、当店のアディショナルで提供しているパエリアのマヨネーズに使っています。このマヨネーズは塩を使わず、卵黄とビネガーとオイルで作るのですが、最後にゴールデンマスタードを入れるとバシッと味が決まります。パエリアで意識しているのは、肉、魚、野菜といったうまみの掛け算。そこに違う魚介のイカスミが入ると、さらにおいしさが倍増します。

「アリッサ」は、スパイシーな中東系の料理にぴったりです。仔羊と香草を合わせた一皿や、トリッパの煮込みなど。ソースにゴールデンマスタードを混ぜたり添えたりしていますが、最近は添えています。

「HIFUMI」は焼肉やそばなど、何にでも合いますね。店では「国産そば粉のワッフル」の、クレーム・フエテの上にあしらったことがあります。これは私の幼少期に祖母が作ってくれたフキノトウ味噌のおやきの思い出を、ワッフルで表現した一皿ですが、「HIFUMI」がアクセントに抜群でした。


-ゴールデンマスタードと、宮田シェフの目指す料理との相性を教えてください

やはり日本人の味覚に寄り添う味ですし、発酵食品にも合いますね。あまりに完成されているマスタードなので、使う時は食材の持ち味を消さないように気を付けています。一方、個性の強い食材には負けないので、味を重ねることが多いフレンチにもすごくマッチすると思います。

和の素材を使う発想は日本人ならではですし、それはUMAMIが効いているということでもありますよね。世界が驚くマスタードだと思います。

-一般の方が家庭料理を作る場合、どんなメニューにゴールデンマスタードが合いますか?

例えばサンドイッチ。パンにゴールデンマスタードを塗ると、いつもとはまったく違う絶品サンドになります。マヨネーズに混ぜるのもいいと思いますし、焼肉やステーキなどにはそのままタレやソースとして使うとおいしいです。

とんかつなどの揚げ物にも、和辛子の代わりにゴールデンマスタードを使うと、一風違ったおいしさが楽しめます。「HIFUMI」は本当に料理を選びませんね。何にでも使える万能調味料です。

restaurant Goût(レストラン グゥ)

東京都渋谷区富ケ丘2-14-6 伸和ビル101