INTERVIEW

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塩、胡椒、醤油、
ゴールデンマスタードが
調味料のニュースタンダード

muraco(ムラコ)

村上卓也

代表

埼玉県狭山市を拠点とするアウトドアブランド。”OUTDOOR GUILD”をコンセプトに掲げたクラフトマンシップとスタイリッシュな機能美が、多くのファンを惹き付けています。

日常と違う思考の中で過ごす時間がアウトドアの魅力

-はじめに、ブランドの歩みやコンセプトを教えてください

muracoの母体は、私の父が1975年に創業した株式会社シンワです。当時から一貫して金属切削加工業として、主に工作機械の部品製造を手掛けており、今でも主力事業として稼働しています。創業地は今の埼玉県ふじみ野市で、その後日高市に移転して法人化。私は2010年に入社しました。

やがて日高工場は手狭になり、売上も順調に推移していたということもあり、現在の狭山市に工場を移転しました。会社の将来を考えたときに、下請けとしての事業だけではなく、能動的に売上を作ることのできる事業展開が必要だと考えるようになったからです。

そのうえで、金属加工業としての設備や技術を生かすことができ、なおかつニーズがある事業は何があるのかと。いろいろと模索する中、もともとキャンプや登山が好きだった私は、アウトドアショップで、ある折り畳み椅子を見つけました。そしてその椅子の部品のひとつが、切削加工で作られたパーツであることに気付いたのです。社内の加工だけで完成品を作らなければと考えていた私にとって、金属部品以外の繊維や樹脂のパーツなどを組み合わせてひとつの製品にすればいいと、ある種単純なことに気付いた瞬間でした。

また、私は以前インテリア業界で働いていて、美しい造形や建築などに興味がありました。そのフィルターでアウトドアのプロダクトをみると、私が思い描くようなブランドはなく、そこにニーズもあると思ったのです。そうしてスタートしたのがmuracoです。

muracoのプロダクトは、金属切削加工業として培った技術が土台になっていますが、屋外での使用を前提とした材料選定や、高いユーザビリティを目指した設計など、丁寧なデザインを心がけています。

また素材それぞれのテクスチャーや形状をシンプルに捉えることができるよう、モノトーンを基本としたプロダクトのラインナップになっています。

マーケティングで大切にしているのは、金属加工の生産背景や、設計から販売まで自社で完結させる組織体制を持っているといった部分をしっかりと伝えていくことです。そのうえで、muracoの世界観に共感していただくユーザー様が増えていったらうれしいですね。

-キャンプにおける料理の醍醐味とは?

キャンプは、家で過ごす生活を屋外に置き換えたもの。究極を言ってしまえば衣食住だと思います。食はその中のひとつですから欠かせません。

現代の日常生活は便利なものであふれていますが、アウトドアはその快適さがない環境です。その環境変化によって思考も強制的に変わるので、その中で過ごす時間がアウトドアの魅力だと思います。

特に料理においては、調理家電はおろかキッチンやゴミ箱もないですし、突然風が吹いたり雨が降ったりすることも。その中での食事は、普段では得られない楽しさを持っているのではないかなと思います。

-ゴールデンマスタードと出会ったきっかけは?

たまたま、私の妻とゴールデンマスタード代表の北山さんの奥様が元同僚という関係で、今から数年前に、その奥様からアウトドアの販売ルートを紹介いただけませんかと妻に相談をいただいたんです。

ただ当時のmuracoにまつわる業務は、私が設計から営業までほぼひとりで行っていたこともあり、多忙を言い訳に北山さんに連絡ができていませんでした。そんなある日、隣町の飯能市にある「ムーミンバレーパーク」で夕食をする機会があり、ギフトショップに立ち寄ったところ、そこでゴールデンマスタードを発見。同時に「あ、連絡しないと!」と思い出したのです。

もちろんそこで買いました。「ゴールド」と「ブラック」でしたね。そして食べてみると、驚くほどウマい! と。申し訳なさもありつつ、その感動が冷めやらぬまますぐに北山さんに連絡し、そこからはとんとん拍子でした。

ありがたいことに、アウトドア関連の小売店様に対しては、当社が専属の販売代理窓口をやらせていただいています。ときにはゴールデンマスタードをきっかけにmuracoを知っていただくこともありますね。


-ゴールデンマスタードにおすすめのアウトドア料理は?

どの料理に合うかというより、とにかく塩胡椒や、醤油などと同じように、基本的な調味料のひとつとして使っていただけるのがゴールデンマスタードの魅力だと思います。なので、どんな料理にも合うと思います。

たとえば目玉焼きトーストの上に乗せたり。ダシ醤油うどんにゴールデンマスタードを少しかければ良いアクセントになります。焼肉もサラダもこれ1瓶でご馳走になりますし、カレーの福神漬け代わりとしても活用できると思います。

-muraco製品とゴールデンマスタード、シンパシーを感じる点は?

一番はブランディングの方向性です。たとえば、ゴールデンマスタードは大型スーパーには並んでないですよね。同じようにmuracoはホームセンターには置いていません。一方で、ともにその道の専門店で扱われるプロダクトになっています。知る人ぞ知る商品といいますか、だからこそ人に教えたくなる。情報感度の高い方に向けたマーケティング手法に、強い共感を覚えます。

-アウトドア業界は今後どのようになるとお考えでしょうか

アウトドアアクティビティのひとつとしてキャンプを切り取ったとして、オートキャンプは依然として主流ですが、嗜好の多様化とともに楽しみ方も多彩に広がりました。ソロキャンプを楽しむ方も多いですし、自転車やバイクに乗ってキャンプをしに行ったり、スーツケースにギアを積めて電車とバスで行く方がいらっしゃったり。

登山の方も頂上ではなく、テント場でのひとときをゴールにする方もいらっしゃいますし、写真を撮るために山に登る人が増えたりと、多くの楽しみ方が生まれていると感じます。

この潮流をブームとして終わらせるのではなく、文化として根付かせていく使命が我々にはあると思っています。楽しみ方やトレンドは時代によって移り変わると思いますが、普遍的なアウトドアの楽しさや素晴らしさを次の世代の若者や子どもたちに共有しながら、業界全体としてさらに発展していけばいいなと考えています。

muraco(ムラコ)

埼玉県狭山市根岸649-7