INTERVIEW

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モデルと料理家。
ケータリングの「美菜屋」
店主・浅野美奈弥だから
表現できること

美菜屋

浅野美奈弥

(あさのみなみ)さん

モデルとしてキャリアをスタートした浅野美奈弥さんが、「美しい“菜”を食べる。”菜“を食べて美しくなる。」をコンセプトに開業。弁当とケータリングのほか、2021年7月にオープンした池尻大橋のテイクアウト店兼キッチンスタジオも好評を博しています。

料理の道とマラソンが私に強みと自信をくれた

-プロフィールやお店の歩みを教えてください

2009年の大学進学を機に北海道から上京。同時にモデル業やDJをしていたのですが、2017年に身体を壊したことで、健康や食について勉強しようと思ったのが料理家になったきっかけです。一時はモデルを休業し、ダイエット検定の1級やフードスタイリストの資格を取ったり。並行して料理家さんのアシスタントを約1年経験するなかで、2018年に「美菜屋」を開業しました。

飲食店ではなくケータリングを選んだ一番の理由は、モデル業に携わっていたためロケ弁やケータリングが身近だったからです。ケータリングは脇役的な存在ですが、そのおいしさひとつでスタッフのテンションがガラッと変わります。モデルの撮影に対する意識や表情に影響するといっても過言ではありません。

また、モデルは自らの美や健康を管理する仕事ですから、ボディメンテナンスが大切。多くのモデルさんの力になりたいと思ったことも、ケータリングを選んだ理由ですね。最初は仲のいい編集さんなど、知り合いの方を中心にオーダーをいただいていましたが、口コミで少しずつ広まって、お店を出せるまでになりました。

体調を崩していた時期に挑戦した、フルマラソンのお仕事も大きなきっかけです。3カ月ほどトレーニングして挑んだのですが、完走できたことで自信につながりました。学生時代の部活は吹奏楽部で、それまでスポーツには縁がなく、当初はハーフマラソンでという提案もあったのですが、思い切ってフルマラソンに挑戦してよかったと思います。

-料理を作る醍醐味、作るうえで心がけていることは?

旬の野菜を豊富に摂れて、栄養バランスに優れた料理。もちろん、添加物や化学調味料は使いません。また、彩りの美しさも心がけています。野菜の色味はビタミンなどにも関係しているのですが、たくさんの色をちりばめることが、自然と多くの栄養素を摂れることにもつながっています。

タンパク質も大切なので、お肉も使いますが野菜のほうが多いですね。ジャンルは和食がベースですが、ハーブやスパイスはよく使います。タイ風の切り干し大根を加えたり、クミンを使ったソテーだったり、エスニックな要素はひとつの特徴かもしれません。

あとは、ヘルシーさとボリュームの両立も考えています。かわいくておいしいけど、量が物足りなくて、間食でお菓子を食べてしまうことってありますよね。ですので、見た目が楽しくて味も量も体も満足できる料理やお弁当を提供したいと考えています。

-モデルとの両立ってどうですか?

最初は買い出しに調理、手配に経理にとひとりで全部やっていました。そのうえでモデルのお仕事にも、オーディションにも行っていたので本当に大変でしたね。

オーダーをいただくことが増え、スタッフが入ってくれたことで少しずつ余裕ができていきました。ただそれはそれで、私が会社員として働いたことがなく、仕事を教えたこともなかったので、チームで働くことの難しさも実感しました。

今では管理栄養士や調理経験者のスタッフを中心に手伝ってもらいながら、メニューを考えたり試作したり。発注やパッケージのデザインなどもしてくれて、すごく助かっています。コロナ禍になってデリバリーもはじめたのですが、「いつ注文してもおいしくて、チームワークがいい」という口コミを読んだときは、私がいなくても同じ味を提供できていてうれしい、頼もしいと実感しました。

-ゴールデンマスタードと出合ったきっかけは?

雑誌の取材で「暁タップス 銀座」を訪れたときです。料理の一品にゴールデンマスタードが乗っていたのですが、すごくおいしくて。料理のお話を聞くなかでマスタードのことも教えていただき、そこから問い合わせて今に至ります。

「美菜屋」では料理によってゴールデンマスタードを使い分けています。「ゴールド」はソテーした野菜に乗せたり、塩と八角で漬けたゆで卵の上に添えたり。「ブラック」はご飯に混ぜるとグレーの色を演出できて、かわいらしさとおいしさをワンランクアップできます。特別感が出るので、差し入れ用のお弁当のオーダーが入った時などによく使いますね。

「美菜屋」のオンラインセレクトショップ。ゴールデンマスタードの販売ほか、活用レシピも載っています。

ゴールデンマスタードは瓶のパッケージも特徴的。高級感があるデザインで、四角い形もオリジナリティがあります。「HIFUMI」は色鮮やかでかわいいし、ギフトにも喜ばれると思います。

-モデルと飲食の兼業であることの難しさ、逆に強みはありますか?

モデル業一本でやっている方に比べると、専門性を割いている分叶わない点はいくつもあります。一方で、等身大の姿やライフスタイルが求められる時代でもあり、料理家としてレシピ提供するお仕事をいただいたり、マラソンをしていることでスポーツブランドのモデルになれたり、お仕事の幅が増えました。これは兼業の強みだと思います。

ご依頼いただく理由には、少なからず私のキャリアが関係していると思うんです。モデルと料理、ともに大好きな仕事が相互に生きている、これはすごくうれしいし幸せですね。これからも、私だから表現できること、浅野美奈弥だから依頼したいというお仕事をいただけるように頑張っていきたいです。

-コロナ禍を経て飲食業が転換期を迎えています。どう捉えていますか?

当初は事業を続けていけるか不安でした。そのなかではじめたことのひとつがデリバリーだったのですが、サービスの機能として口コミがあるので、大きな気づきをいただけましたね。

というのも、それまでの料理に対する感想といえば、業界関係者など親しい人からでした。となると、どうしても私情が入ってしまうと思うんです。デリバリーで食べていただいた方の声はリアルな感想だと思いますし、そこでの「おいしい」という声はいっそう自信につながりました。

新たにテイクアウト業態やキッチンスタジオにも挑戦しますが、「美しい“菜”を食べる。”菜“を食べて美しくなる。」をより磨きつつ、私らしさを追求していきたいと思います。

美菜屋

東京都世田谷区池尻3-3-7